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読んで納得 おもしろ海民史 東国漁業の夜明けと紀州海民の活躍

あとがき

本文の執筆について一年の予定が一年半かかって終わりました。多くの方から、途中でダウンしたのかな?とご心配とお励ましを頂きまして、本当に有難うございました。
書きはじめたときは漁業史だけで終える予定でしたが、途中で紀州海民の活躍を書きたくなり、新たに八章「鰹節や醤油製造も伝えた紀州海民」を加えました。それで「漁業史」と言うよりも「近世の紀州海民史」と言った内容になってしまいました。
内容と表現の誤りを補い、一冊の本にして、お手元にお届けしお世話になった和歌山や房総各地の図書館や学校にも差し上げて、若い人たちにも読んでいただきたいと考えています。

紀州海民と、東国の出稼ぎ先の領主や地元民との交渉史は、決して単なる昔話ではありません。今日の海外進出企業と進出先政府や地元民との交渉も、時代を超えた相似点が多いように思われます。

利害算段で動く事の多い人間の本質は、簡単には変わらないからです。
その視点からみると、紀州海民の活動の歴史は、私達に多くの示唆を与えてくれるように思います。残念ながら非才な私の力では、それを上手く書き表すことが出来ませんでした。ともあれ、これで、物見高い元教師の最後の仕事が終わりました。
貴重な資料収集に手を貸してくださった各地の図書館、博物館、銚子市の水産課をはじめ、各自治体の水産課の方々など、多くの担当者のご親切は忘れられません。
利用させていただいた多くの資料を本にして公表し、残してくださった研究者の皆様と出版社に対して、深い敬意と感謝を捧げます。
粗稿の段階でご覧くださって、無いように対するご批正や文や文字の訂正をして下さり、お励まし下さった皆様のご好意にも、大きな力を与えられました。
最後に、本作りについても労を惜しまず様々な助言と協力をして下さった、畏友西川至氏と、一冊の本にして下さった調布市の株式会社 セイコー社にここらからの御礼を申し上げます。

平成十九年五月三十日
杉浦敬次
   
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